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金融機関の格付を上げる10の方法

金融機関格付の仕組み

「金融機関格付」とは、金融機関が融資先企業を自己査定してランク付けすることをいいます。これは国(金融庁)からの指導のもとに行われていますので、都市銀行であれ地方銀行であれほぼ同様の制度となっています。

そしてその「格付の仕組み」としては、企業の定量部分と定性部分を点数化してその合計点数によって評価します。定量部分とは、数値化できる部分なので、「金融機関に提出した決算書」によって財務分析をして点数化されます。この定量部分の評価が、格付評価全体の約7~8割を占めるといわれています。そしてもう一方の定性部分とは、数値化できない部分として、市場動向や業暦、経営者自身の資質などで分析されます。

こういった格付の仕組みによって企業が評価されて、点数の高い企業から順番にランク付けされます。そしてその中で、いわゆる債務者区分というものが「正常先」に位置づけられている場合はさほど問題はありません。

問題があるのは、その下の債務者区分である「要注意先」、そして特に「要注意先の中にある要管理先」に位置づけされていると、企業経営上問題がでてきます(ちなみに中小企業はこの辺りに位置づけされることが多々あります)。

ある都市銀行の例ですが、下位正常先の金利と要注意先の金利とで約2%の金利差となっていますので、5,000万円の借入で年間100万円の差となります。

また、金融機関が銀行マンに目標を課すときに、正常先については「貸し出し目標」が設定されますが、要注意先以下では「回収目標」が設定されるそうです。これでは金融機関による企業の扱いが全然違ってきますね。

こういったことを考えると、格付を上げておく、つまり格付が上がるように決算を組むということは、企業経営上非常に重要であると理解していただけるのではないでしょうか。

DESをすれば格付アップ

それでは具体的に格付アップの手法をご紹介していきます。

まずは、DESというのをご存知ですか?DES(Dept Equity Swap=デット・エクイティ・スワップ)とは、「デット=借入金」と「エクイティ=資本金」を「スワップ=交換」することをいいます。

格付アップの視点で考えると、これは、「社長借入金を資本金に振り替える(社長借入金を現物出資する)」こととなります。創業期などに発生した社長借入金は返済せずそのままという会社も多々あるでしょうから、その場合実態に合わせてDESを実行してみてはいかがでしょうか。そして、自己資本比率を増加させることによって格付を上げましょう。

とはいえ、実際DESを行うと(=資本金が増加すると)、「上手に節税できる会社にするには、資本金が大事」で書いたように税務上のデメリットや資本増加にともなう登記費用なども発生して、実行しづらい部分もあるかと思います。

そこで、DESを実行しづらい場合には、金融機関担当者に口頭で、「貸借対照表に計上されている社長借入金は、資本金のようなもので、今後も私個人に返済してもらうつもりはありません。そのように格付審査上計算をしてほしい」と伝えてみてはいかがでしょうか。口頭ベースで伝えることがどれほど効果があるのかは、その金融機関や担当者によっても違うでしょうが、実質判断ということを考えれば、やってみる価値はあると思いますよ。

決算書の表示を変更して格付アップ

この間、友人の経営者から決算対策について相談がありました。

そこで去年の決算書を見せていただくと、本来「特別損失」に計上すべき役員退職金1,500万円が「販売費及び一般管理費」に計上されていました。「販売費及び一般管理費」に計上しようが「特別損失」に計上しようが、最終利益は変わりません。もちろん、納税額も変わりません。ただ一点変わるのは、銀行から見た場合の「格付」です。つまり、「銀行マンに聞きました「こんな決算書は嫌だ!ベスト3」」にあるように、最終利益は変わらずとも「営業利益」及び「経常利益」が小さく計上されてしまうのです。

格付審査上は、最終利益が赤字でも本業での儲けをあらわす営業利益がプラスであれば、一般的に良い評価をします。ということは、役員退職金は適正に特別損失に計上すべきということになります。つまり損益計算書上でいうと、費用はなるべく下のほうに計上すると格付審査上は好ましいといえます。同じ理屈で、収入は損益計算書上なるべく上に表示するのが良いということになります。

まとめると、決算書の表示として、「収入はなるべく上に、費用はなるべく下に」計上すると、「営業利益」や「経常利益」が上がりますので、格付アップの可能性があるということです(しかし会計原則を逸脱してはいけませんよ)。

定期預金を解約して借入金と相殺する

貸借対照表上、定期預金が資産に計上されていて、それに見合いの金融機関からの借入金が計上されている会社があります。格付審査上は、総資産及び有利子負債が少ない会社を良い会社であると判断する部分があります。そこで、思い切って定期預金を解約してそのお金で借入金を返済してしまってはいかがでしょうか。そうすると、総資産の圧縮につながり自己資本比率が向上し、また有利子負債の圧縮も格付アップに貢献します。

他にも、会社で重要性が乏しい不要資産があれば、それらを売却してその売却資金で借入金を返済すると、上記と同様に格付アップにつながります。

運転資金を減らす

一般的な運転資金の計算式というのは、「売上債権+棚卸資産-仕入債務」で表されます。売上債権とは売掛金や受取手形のことで、仕入債務とは買掛金や支払手形のことです。運転資金とは、自社にとって足りない資金をあらわしていて、通常は借入金によってまかなわれることになります。つまり、運転資金が増えると格付を下げてしまう可能性があります。

それでは、運転資金を減らすためにはどうすればいいのでしょうか?
先ほどの運転資金の計算式をもう一度見てください。この計算式の結果を少なくすればいいのですから、「売上債権や棚卸資産を減少させて、仕入債務を増やせば」いいのですね(とはいっても、例えば在庫であれば過度に減少させて売上チャンスを逃してしまうといけませんから、その辺りは「格付や資金繰り改善」と「営業活動」での間をトレードオフの関係としてとらえてご判断下さい)。

以下に具体的な運転資金の減少方法を記しておきます。

●売上債権の減少方法
1.現金での代金回収可能性の検討
2.回収条件の早期化を検討
3.滞留債権の回収の徹底
4.債権管理の徹底(滞留債権や貸し倒れにならないようにする)
5.まずは新規の取引先から実行

●棚卸資産の減少方法
1.棚卸し管理チェック(毎日、毎月)の徹底
2.適正在庫の把握
3.在庫を持たない経営にシフト

●仕入債務の増加方法
1.支払条件の延期化を検討
2.受託販売への変更を検討
3.まずは新規の取引先から実行

定性評価も大事

決算書には付属の科目内訳書をつくりますが、その科目内訳書が結構いい加減な場合があります。例えば、売掛金の内訳書で、「その他 2,200,000円」1本で終わっている場合です。金融機関にとって、決算書や科目内訳書というのは融資先企業をモニタリングできる唯一の資料となりますので重要視しますが、「その他 2,200,000円」では何もわかりませんよね。ある特定の取引先の売上に偏っているのか、もしくは新規の取引先が増えているのかなど何もわかりません。

良い科目内訳書の例としては、
A社 東京都港区六本木×× 1,250,000円
B社 東京都千代田区××   550,000円
C社 大阪府大阪市北区××  320,000円
その他3件          80,000円
合計            2,200,000円

と表示されていればモニタリングをしたがっている金融機関からすると良い印象を与えるのは間違いないでしょう。これは、格付審査上の定性評価を上げることにもつながります。

またこれは実話ですが、ある金融機関が新規のベンチャー系の企業に1,000万円の融資を実行しました。しかし、その後は全く連絡をお互いしていませんでした。すると決算後の6月に、金融機関の担当者宛に突然その企業の社長が決算書と今後の簡単な事業計画を持ってやってきたそうです。金融機関からは何も言っていないのに、ありがたいことに先方の企業からやってきてもらったことに担当者はびっくりしました。そして、その担当者は、奥の会議室に社長をお連れして、その決算書の簡単な説明と今後の事業展開などの話を聞きました。

その後日談としては、その担当者はすぐに支店長にその話をしました。すると支店長も興味を示し、その支店規模からすると決して支店長が訪問する先ではないその企業に数ケ月に1度ほど訪問することになったそうです。そしてその企業は、結果として支店長さんからいくつかの取引先なども紹介してもらったようです。

企業のほうから金融機関に決算書を説明しに行くということはほとんどの企業がしていないようですので、出来れば決算後3ケ月以内(決算後2ケ月以内に税務申告必要)ぐらいに実行されると良いと思いますよ。

また、自社で決算検討会などを開催してそこに金融機関の方もお呼びするなんていうのも良いですよね。金融機関も1ステークホルダーであると考えると、格付審査上の定性評価が上がることになるでしょう。

最後に、金融機関の格付システムの紹介なんかを見ていると「社長自身」というのも「定性評価」上のウェイトが結構高いようです。「社長の普段の発言や振る舞い」というのは、案外見られているということも覚えてきましょう。

銀行格付アップ10の方法

2008.10.1執筆

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

今村 仁

今村 仁

「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。

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