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創業5年以内に使える節税ベスト5

従業員の教育費用が節税に

従業員の成長を期待してセミナー費用など教育訓練費を会社が負担した場合に、税制上、特典のあるのが「人材投資促進税制」です。平成20年度税制改正において、要件が大幅に緩和されて、青色申告書を提出する中小企業者等について、労務費に占める教育訓練費の割合が0.15%以上の場合に適用が受けられることとなりました。ちなみに労務費とは、「給与、法定福利費、教育訓練費」となっています。

具体例をあげると、労務費が400万円の従業員が5人いる会社で、その従業員に対してセミナー研修などの教育訓練費用を会社が年間100,000円負担したとします。この場合、100,000円÷400万円×5人≧0.15%となり、まずこの制度の対象となります。

そして図にある税額控除率の計算式より、8%+(10万円÷400万円×5人-0.15%)×40=22%で、上限が12%なので、税額控除率は12%となります。結果、教育訓練費を負担したことによる会社の減税額は、10万円×12%=12,000円です(別途法人住民税も減額されます)。注意点としては、対象者が「使用人(正社員、契約社員、パート、アルバイト等)」となっている点です。つまり、社長を含む役員やその親族などはこの制度の対象外となります。また、対象となる教育訓練費の範囲は図を参考にしてください。

この新しい人材投資促進税制は、金額の大小はあるでしょうが、ほとんどの中小企業で適用を受けられるのではないでしょうか。適用忘れのないようにしてください。

情報システム投資に減税

情報基盤強化税制とは、青色申告書を提出する法人又は個人事業者が高度な情報セキュリティ技術を装備した情報システムに設備投資等した場合に、税制上の優遇措置があるというものです。

対象資産や金額基準などは図をみていただくとして、情報基盤強化税制の対象となる投資を行うと、2つの減税措置のうちいずれかを有利選択することができます。

1つ目は、投資額である取得価額の35%を特別償却できる優遇措置です。特別償却とは、通常の減価償却費に大幅にプラスして認められる減価償却費となります。これによって費用が増加し、税金を抑えられるというメリットがあります。

2つ目は、支払うべき法人税額から取得価額の7%を税額控除してくれる優遇措置です。この税額控除は、経費の増加ではなくて、ダイレクトに税金を減額してくれますので、効果は大きいといえます。なお、1事業年度に法人税額の20%が上限となっていますが、それを超えた分に関しては翌事業年度に限り繰り越せます。 

例えば、資本金1億円以下の青色申告法人が、情報基盤強化税制の対象となる投資を年間100万円行った場合、特別償却であると、100万円×35%=35万円の特別償却費が普通償却費に上乗せして費用計上できます。一方、税額控除では、100万円×7%=7万円が法人税額から直接控除されることになります。

平成20年度税制改正において、資本金1億円以下の青色申告法人等の場合、投資金額のバーが従来の年間「300万円以上」から「70万円以上」に引き下げられました。また、「部門間・企業間で分断されている情報システムを連携するソフトウェアで独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の評価を受けたもの」が対象資産に追加されました。

中小企業投資促進税制は機械やソフトも対象に

該当すると節税効果の高い「情報基盤強化税制」なのですが、対象資産が限定されています。しかし、実は他にも青色申告書を提出する中小企業者等を対象とする「中小企業投資促進税制」というのがあります。

図にある対象となる投資をおこなって中小企業投資促進税制に該当すると、基本的に情報基盤強化税制と同様の優遇措置を受けられます。しかし、特別償却率が35%ではなく30%となります。また中小企業者等のうち資本金が3,000万円を超える法人以外の法人・個人等だけしか税額控除の適用がありませんので、ご注意ください。

税金が戻ってくる繰戻還付は創業5年以内の特権

次の節税対策としては、「資産科目の見直し」です。これは、貸借対照表の左側に掲載されている資産科目を見直して幽霊資産を探すというものです。もし今存在していない資産が掲載されているのであれば、節税のチャンスです。その幽霊資産が固定資産の場合は「固定資産除却損」、売掛債権などの場合は「貸倒損失」というお金のかからない費用が計上できるかもしれません。決算前には必ず資産項目の見直しをおこなってください。

最後は、払った税金が戻ってくる「欠損金の繰戻(くりもどし)還付制度」の検討です。この制度では、欠損金つまり赤字が生じたときに、その赤字を前事業年度の所得と相殺させて、納付済みの前年の法人税額を戻してもらうことができます。例えば、前事業年度が1,000万円の所得で法人税を236万円支払っていて、当事業年度に欠損金が800万円生じたとします。この場合戻ってくる税金は、236万円×800万円/1000万円=188.8万円となります。

この「欠損金の繰戻還付制度」を使えば、税務署から、既に支払った税金を取り戻すことができます(選択制として、当事業年度の赤字を翌年以後に繰り越すこともできます)。

ただしこの「欠損金の繰戻還付制度」を適用できるのは、会社を解散するときなど特殊な場合を除き青色申告書を提出する「設立5年以内の中小企業者(注)」だけとなっていますので、該当する方は忘れないようにして下さい。

(注)同一の大規模法人が資本金又は出資金の額の1/2以上を所有している場合又は2以上の大規模法人が資本金又は出資金の額の2/3以上を所有している場合は対象外となります。


創業5年未満の節税対策1

創業5年未満の節税対策2

創業5年未満の節税対策3

2008.10.1執筆

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

 

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今村 仁

今村 仁

「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。

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