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経営者が知っておくべき赤字決算の処方箋

V字回復で来期の黒字化を目指す

赤字決算になることが分かった場合、経営者は決算の方向性をどう決めればよいだろうか。考えられる方向性は2つある。

1つは、当期決算を大幅な赤字にすることである。例えば、前期が黒字決算で、当期が赤字となる場合には、来期を確実に黒字にするために、当期決算に最大限経費や損失を盛り込んで、マイナス要素を出し尽くしてしまった方が良い。 赤字幅を少しでも減らした方がよいのではないか、という考えもあるが、金額が多少減っても赤字は赤字である。中途半端な決算にするぐらいなら、来期の黒字転換に向けて大幅な赤字決算とした方がよいだろう。

2期連続の赤字は、金融機関の評価を下げる可能性があり、融資の可否にも影響してくるため、できるだけ避けなければならない。

黒字化させるための方法は?

もう1つは、何とかして黒字決算に持ち込むことである。前期が赤字で2期連続の赤字になる場合、当期が赤字になると債務超過になる場合、赤字が比較的少額な場合であれば、あらゆる手段を尽くして、黒字決算にできないかを考えるべきである。

例えば、前払費用の計上、棚卸・貯蔵品の網羅、未払経費の計上見合わせ、役員交際費の自主負担などを考えながら、決算期末まで時間的な余裕があるようなら、含み益のある資産の売却、生命保険や倒産防止共済などの解約で利益を確保する。事業年度変更で決算期を変更するのも、ときには有効な手段となる。

収入は上に、経費は下に

また、決算書の利益には、売上総利益・営業利益・経常利益・税引前当期利益・税引後当期利益の5つの利益がある。赤字決算といっても、どの段階で赤字になっているかによって評価は異なる。金融機関は、営業利益や経常利益の黒字を重要視する傾向にある。「税引前当期利益が赤字でも経常利益は黒字」、「経常利益は赤字でも営業利益は黒字」というように、収入はできるだけ上に、経費はできるだけ下に持ってくることで、営業利益や経常利益の黒字を作り出せる場合もある。  

いずれにしても大事なことは、早めに決算予想を行うことで対策を打つ時間的余裕を作ることである。そのためには、日頃からの適正な試算表作りが肝心である。

2014.10.6執筆

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

 

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今村 仁

今村 仁

「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
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