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新規取引する前にやっておくべき3項目!

創業5年以内の会社は、3ステップの与信管理を実施せよ

皆さんの会社では、「与信管理」を行っているでしょうか?

 

昨今の倒産件数の増加傾向を考えると、与信管理は中小企業においても非常に重要です。

 

「与信」とは、取引先に信用を与えることをいい、売掛金(ツケ)で取引を行うときに発生します。すなわち「与信管理」とは、取引前に会社などを調査し取引の是非及び取引条件などを判断し、容認できる売上債権の与信限度額をもうけ、取引先ごとに管理していくことをいいます。この与信管理によって、貸し倒れリスクが激減します。

 

創業後、間もないときというのは、売上を計上することが第一になっていますので、与信管理が甘くなりがちです。創業5年以内の中小企業を前提に3つのステップをお話しします。

与信管理のステップ1 情報収集

新規取引をする場合に、何をおいても重要なのが「情報収集」です。取引先の会社やその業界に関する情報収集は、出来る限りのことすべてを行いましょう(その会社との取引額や頻度などにもよりますが)。情報収集の主な方法には、「ネットでの検索」「会社登記簿謄本の入手」「業者登録情報などの入手」「信用調査会社の報告書の入手」「知人などに取引先や業界についてヒヤリング」などがあります。順番にいていきましょう。

 

■情報収集の方法① ネット検索による情報収集

取引先の会社のホームページをみるだけでも、色々とわかります。上場会社であれば公開されている決算書を見て、できれば2期比較で「会社の財産や負債に急激な増減は無いか」「収益性は悪くなっていないか」などをチェックしてください。顧問税理士に、決算書の分析を依頼するのもいいでしょう。専門的な見地から、リスク分析してくれるはずです。

 

また、未上場の会社でも、簡単な決算書を公開していることがありますから確認してください。

 

他にも、会社概要、社歴や現在の役員構成、関係会社の有無等が確認できます。最近では、本業がわからなくなっている会社が多いですから、事業範囲もしっかり確認しましょう。

 

また、ホームページでメインに書かれていることが、その会社が、最近一番力を入れていることです。こういった情報は、今後の取引関係においても重要なので要チェックです。

 

ただし、未上場の中小企業の場合、ホームページが更新されていないこともありますので、気を付けて下さい。

 

また、必ずやってほしいのが「検索」です。検索エンジンで「会社名」と「代表者の個人名」で検索してみてください。

 

よくあるのは、自由に書き込める掲示板などで、元従業員などが悪口を書いていたり、取引先やお客様がクレームを書き込んでいる場合です。一般的に、ネットの情報は信用度が低いですから、それが事実かどうかはわかりません。とはいえ、火のないところに煙は立たぬともいいますので、噂は重要です。

 

■情報収集の方法② 会社登記簿謄本

法務局に行くと、会社登記簿謄本が1通1,000円で手に入ります。この登記には、「商号」「本店所在地」「会社設立年月日」「資本の額」「役員に関する事項」などが掲載されています。

 

登記情報とホームページや会社パンフレットとの情報に差異があれば、必ず確認しておきます。また、頻繁に商号や本店の住所などが変わっているときも要注意です。代表者以外の役員についても、出来ればネットなどで調査しておきましょう。

 

■情報収集の方法③ 業者登録情報
意外に情報が充実しているのが「業者登録情報」です。建設業や宅建業などでは業者登録が義務付けられていますし、中には決算書の提出が義務付けられている業種もあります。業者登録情報は、所轄の官公庁で閲覧できます。

 

最近急増している特定非営利活動法人(NPO法人)も、都道府県などにおいて、決算書が閲覧できるようになっていますので覚えておきましょう。

 

■情報収集の方法④ 信用調査会社の報告書

少し費用はかかりますが、「信用調査会社の報告書」を入手することも有効です。通常、それらの報告書には、決算書以外にも、会社や代表者の定量的・定性的評価が記載されています。

 

■情報収集の方法⑤ 知人などにヒヤリング

同じ業界に知り合いがいれば、新規取引先のうわさを聞いてみましょう。悪い会社というのは、積極的に新規の取引先を探しているので、意外とほかの会社にも声がかかっていたりするものです。

与信管理のステップ2 会社を訪問する

新規取引先やその業界の情報が入手できたところで、会社を訪問します。通常、打ち合わせなどで、相手の会社に行く機会はあるはずですが、急ぎの取引の場合や、悪徳な相手が意図して会社へ訪問させてくれない場合もあります。

 

相手の会社に行くと、その会社の雰囲気から仕事の姿勢、ひいては、お金に対するルーズさなどがわかることもあります。

 

会社訪問は、出来れば営業担当者以外の方も同行するようにしてください。通常、担当者は売上を上げるのに必死です。担当者以外の方の第三者の目が重要です。

与信管理のステップ3 取引条件を設定する

会社や業界の情報を入手し、会社への訪問も済ませたのであれば、次に、取引条件を設定します。取引条件とは、現金取引の割合や売掛金のサイト、与信限度額などです。

 

取引先に懸念材料があれば、現金取引の割合を増やしたり、売掛金のサイトを短くしたりしてください。

 

ここまで見てきた与信管理の3ステップは重要なことばかりですが、当然、完璧ではありません。「ここは大丈夫だ」と思える取引先でも、最初は少額の取引からはじめましょう。

2009.4執筆

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

 

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今村 仁

今村 仁

「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。

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