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会社をつくると本当に得?~実際のメリット~

取締役1人・資本金1円でOK

平成15年2月に中小企業挑戦支援法が制定され、あわせて新事業創出促進法が改正されました。そして、最低資本金規制免除の制度が設けられました。さらに、平成18年5月より会社法が施行されました。

 

これらによって、会社の設立が飛躍的に容易になりました。例えば、会社法施行前であれば株式会社の場合、役員3人以上、監査役1人以上必要でしたが、現在では役員1人で株式会社がつくれます。また、資本金についても以前では株式会社で原則1,000万円、有限会社で300万円必要でしたが、現在では資本金1円でもOKとなりました。

会社設立で、3大節税効果がある

とはいえ、起業を思い立ったときには、個人事業がいいのか会社をつくったほうがいいのか悩みますね。そこで、会社をつくった場合のメリットとデメリットを図にまとめてみました。 まず会社をつくった場合のメリットとして、忘れてはならないのが節税効果です。

会社をつくるメリットとデメリット

 

節税効果は、大きく分けて「所得税・法人税の節税」「消費税の節税」「相続税の節税」の3つがあります。ひとつひとつ、見ていきましょう。

 

■節税効果1 所得税・法人税の節税

個人事業の場合の利益構造は、「収入-経費」です。それに対して、会社をつくった場合には、「収入-経費-自分への給料」となります。つまり、自分への給料を多くすると、会社にはほとんど税金がかからないことになります。

 

ただし、給料ということは、経営者自身に給与所得が発生して所得税・住民税がかかることになります。

 

しかし、ここがポイントなのですが、その給与所得には「給与所得控除」という特別経費が認められています。結果的には、個人事業として税金を払うより、会社をつくって自分に給料を支給する形態をとったほうが税金が安くなることが多いのです。

 

儲けが多い事業ほど、会社をつくったほうが有利となり、その目安は年間利益400万円以上とお考え下さい。つまり、毎月35万円ほどの利益が計上できるようになってきたら、会社をつくることを検討する段階といえます(ただし業務主宰役員の給与が経費にならないという増税規定ができましたので、対象になる会社は注意して下してください。別記事にて解説します)


さらに、妻や父母などの親族にもその仕事に見合った給料を支給することができれば、メリットは増大します。給与に対してかかる所得税は超過累進税率となっており、所得が多くなればなるほど税率が上がるようになっていますので、親族への所得分散ができれば、先ほどの給与所得控除のメリットとあわせて節税効果が更に高まるのです。

 

■節税効果2 消費税の節税

資本金1,000万円未満の会社の場合は、会社設立後の約2事業年度については、消費税が免税となります。詳細は別記事にて解説します。

 

■節税効果3 相続税の節税

個人でもっている財産を会社所有という形にすると、個々の相続財産が会社の株式という相続財産に変わります。そして、収入もいったん会社に帰属することになります。

 

例えば、そこから給与という形で所得分散を図れば、今後の相続税が減少することになります。

 

また、退職金の支給などで株式評価引き下げ対策なども可能となりますので、結果的に会社を設立したほうが相続税の節税になることが多いです。

 

さらには、個人事業主が亡くなれば、預金が凍結されて自由にお金の出し入れができなくなりますが、会社組織にしておくと事業主が亡くなっても会社の預金が凍結されることはありません。個人事業に比べて会社組織のほうが、格段に事業承継は行いやすいといえます。

 

また、会社(事業)を売る・買うというときにも、会社組織であると、原則株式の売買だけですみますので、非常に簡単に行うことができます。

税金面のメリットは、あちこちにある

そのほかにも、赤字が発生した場合には、翌年以後7年間、その赤字を繰り越すことができます。個人の場合に繰り越せるのは3年間なので、会社のほうが有利であるといえます。

 

また、資産を購入した場合には「減価償却費」という費用が各年において計上されることになりますが、実は、会社の場合は、この費用計上は任意選択になっています。

 

例えば「今年は大赤字で、これ以上赤字を増やしても、節税という観点では意味がない」というときには、減価償却費0円にすることも可能です。

 

さらには、社長の自宅が賃貸の場合、その自宅を社宅扱いにすることも可能です。すると、おおまかには、家賃の半分を会社の経費にすることができます。

 

また、会社組織であると、社会通念上、妥当な金額であれば、出張の際に、社長に非課税で日当を支給することもできます。

社会的信頼アップで、格段に融資が受けやすくなる

税金面以外にも、会社を設立すると社会的信用が増すというメリットがあります。実際、会社設立の理由として、「親会社や取引先の要請があったため」というものが多いです。会社組織であるば、大企業との取引も形式的には可能となるからです。

 

また事務所の賃貸借契約を結ぶときにも、会社組織であれば、会社の印鑑と社長の印鑑で事足りることが一般的です。個人事業の場合は、第三者保証を要求されることが多いので、これも会社設立のメリットといえるでしょう。

 

また、個人事業よりも会社組織のほうが格段に融資が受けやすいです。個人事業の場合であれば、第三者保証人や担保を要求されることが多いですが、会社組織であれば、借入者を会社、保証人を代表者とすれば融資が実行されることが多いです。

 

さらに、国民生活金融公庫や保証協会の会社創業期向けの「創業支援融資」もりようできます(詳しくは別記事参照)。

 

その他にも、「事業年度を自由に決められる(別記事参照)」といったメリットがあります。

2009.4執筆

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

 

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今村 仁

今村 仁

「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。

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