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利益はでているのにお金が無いのはなぜ?

利益と現金の不思議な関係

特に創業5年以内の会社では、「利益は出ているのになぜか手元にお金が無い。納得いかないけど、仕方なく納税資金を銀行から借り入れる」という状況に陥ることが、しばしばあります。いわゆる、「勘定合って銭足らず」ということです。

 

この状況は一見すると不思議に思うかもしれませんが、黒字倒産ということもあのです。

 

では、なぜ「儲かっているのに、会社にお金がない」なんてことになるのでしょうか。実はそのキーワードは、「利益と現金の違い」にあります。

利益も大事だが、現金も大事

決算書上における「利益」とは、収益から費用を差し引いた残りとされています。

 

「収益」とは、物の販売やサービスの提供によって生じたいわゆる売上高に相当するもの、及び営業外項目である受取利息や固定資産売却益などが該当します。

 

また「費用」とは、売上を獲得するために支出する仕入や外注費に相当するもの、及び営業外項目である支払利息や役員退職金などが該当します。

 

一方、「現金」とは、収入から支出を差し引いた残りとされています。

 

「収入」とは、売上の入金以外にも資金が会社に入ってきたという意味で、借入を行った場合の借入金なども該当します。

 

「支出」には、通常の各種経費の支払い以外にも固定資産の購入支出や借入金の返済なども該当します。

 

この現金を先ほどの利益と比べると、その「認識時期」において違いがあります。物販の売上を例にとると、物を相手に引渡し請求書を渡した時点で、通常は「利益」の概念である収益に計上することになります。

 

しかし、「現金」の概念である収入に計上するには、まだ少し早すぎます。通常、請求書を渡した翌月以降に、物を購入してくれたお客様からの入金がありますよね。そして「現金」の概念である収入は、その入金時点で認識することになります。

利益と手元に残る現金は異なる

 

利益はでているのに、会社にお金が無いのはなぜ?

ということは、例えば売上サイトが長く、仕入サイトが短いスタイルで商売をしている会社で売上が急増した場合、売上や利益が増えているのに、手元にお金が無く、その増加分、運転資金を借入しないといけないという状況になってしまいます。

 

更に、多くの在庫を抱えていると仮定すると、在庫というのはそのまま資金が寝ている状態ですから、ますます資金繰りは悪くなります。同じように固定資産の購入や事務所保証金の支払いなども、お金が固定化されるという意味で資金繰りに悪影響を及ぼします。

 

実は、このあたりの「利益」ではない、「キャッシュベースでの儲けの考え方」というのは、創業期においてとても大事なのです。そのことを経営者がわかっているかどうかは、その後にその会社が「貧乏暇なしにおちいるのか」と、「適切な利潤を獲得できるのか」の分かれめになるでしょう。

 

そしてそれは、「がんばれば報われる会社になれるかどうか」ということでもありますので、そこで働く従業員の待遇面にも影響します。つまり「資金繰りのよい会社をつくる」ということは、経営者の大事な仕事なのです。

資金繰り改善5ケ条

ここまでみてきたように、「利益」が増えたからといって、必ずしもその分だけ会社のお金が増えるわけではありません。

 

特に創業期というのは、なかなかこちらに都合のよい取引条件は望めません。また、在庫や保証金などお金が眠る投資というのが必要な時期でもあります。したがって、会社の資金繰りは火の車になりがちです。そしてそれは、例え利益が計上されていて、税金を払うような状態であっても同様です。

 

こういった利益と現金の違いを理解した上で、以下に掲げる「資金繰り改善5ケ条」を実行してみてください。

資金繰り改善5か条

 

例えば、担当者の意識が変わることでも大きく在庫削減がすすむこともあります。

 

また、在庫同様、固定資産や保証金の支出というのは、基本的にお金が寝てしまう状況になりますので、なるべく抑えるようにしましょう。

 

そして、出来るだけ利益と現金を一致させて、「利益も計上されていて、それに見合う現金もちゃんとある」という理想の会社に近づけてください。

2009.4執筆

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

 

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今村 仁

今村 仁

「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。

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