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社会保険には加入する? | 大阪の税理士法人:大阪・京都・神戸・滋賀・奈良・東京・横浜を中心に活動/会社設立/法人設立/創業/創業5年/決算対策/節税対策/資金調達/税務調査/
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社会保険には入らないとダメ?
労働保険とは
労働保険とは、労災保険と雇用保険の総称です。
労災保険とは、従業員が仕事中に労働災害事故や通勤災害事故によって怪我や病気などをしたときに、その従業員などに対して必要な保険給付を行う制度のことです。保険料は全額会社負担となり、各種手当を含んだ給料と通勤交通費を合計したものに労災保険料率をかけて求めます。労災保険料率は、危険度にともない4.5/1000~118/1000の間で事業の種類により決められています。
次に雇用保険ですが、これは別名「失業保険」ともいわれ、従業員が失業したときの失業給付や育児・介護休業給付などを行う制度です。保険料は、労災保険と同様、各種手当を含んだ給料と通勤交通費を合計したものに雇用保険料率をかけて求めます。雇用保険料率は、一般的には、会社負担9/1000、従業員負担6/1000となっています。
労働保険料の支払い方法は、毎年4/1~5/20(平成21年から6/1~7/10に変更予定)の間に「年度更新」という手続きをおこなって、昨年分の保険料不足と今年分の前払い保険料を合計したものを原則一括で支払います。
概算保険料額が40万円(労災保険か雇用保険のどちらか一方の保険関係のみ成立している場合は20万円)以上の場合などは、労働保険料の納付を3回に分割する事が可能です。
社会保険とは
社会保険とは、健康保険(ここでは全国健康保険協会管掌健康保険(旧政府管掌健康保険)と仮定、40歳以上65歳未満の場合は介護保険にも加入が必要)と厚生年金保険の総称です。
健康保険に加入していると、病院にいったときの負担が通常3割ですみます。また、病気やけがで仕事ができないときに「傷病手当金」が支給されたり、出産前後の給与補填として「出産手当金」が支給されたりします。
保険料は、各種手当を含んだ給料に通勤交通費を合計したもの(標準報酬)に健康保険料率をかけて求めます。健康保険料率は8.2%ですが、介護保険を含む場合は9.33%となり、それらを会社と個人で折半負担します。労働保険に比べて社会保険の負担はとても重いのですが、例えば、標準報酬が月額605,000円のとき、会社負担28,923円・個人負担28,923円で合計57,846円となります(介護保険料含む)。
次に、厚生年金保険ですが、これは老後に年金として支給を受けるために支払うものです。
保険料は、健康保険と同様、標準報酬に厚生年金保険料率をかけて求めますが、その率は全体で153.5/1000(平成20年9月現在)となっています。これを、会社と個人で折半負担します。健康保険以上に負担が重いのが厚生年金保険なのですが、標準報酬が月額605,000円以上で最高額となり、その場合会社負担47,585円・個人負担47,585円で合計95,170円となります。当然負担額が大きいほど、将来もらえる年金は大きくなります。
社会保険料の支払い方法は、前月分を当月末日までに自動引き落とし又は振込みにより行うことになります。
加入しないといけないの?~労働保険編
会社をつくりたての経営者の方から、「従業員を雇うことになったんだけど、労働保険や社会保険に加入しないといけないの?」と質問を受けることがあります。特に個人事業から法人成りされた方などは、労働保険や社会保険の加入は「任意」と思われているケースがありますが、実は原則「強制加入」なんです。
具体的には、労災保険については、従業員を雇えばそれがパートやアルバイトであろうと必ず加入する必要があります。
雇用される従業員が対象ですから、役員は原則対象外となります。ということは、役員だけの会社の場合は原則加入できません。しかし、使用人兼務役員の場合は、労働者的要素が強い場合は対象となります。また、一定の中小事業主等についても特別加入という方法で加入できることがあります。
また雇用保険の場合は、週の所定労働時間が20時間以上で6ケ月以上雇用が見込まれる場合に加入する必要があります。この制度も原則従業員が対象となり役員は対象外で、使用人兼務役員の場合は労働者的要素が強い場合は労災保険と同様対象となります。しかし役員についての特別加入のようなものはありません。
加入しないといけないの?~社会保険編
次に社会保険ですが、実はこれ、人を雇っていなくても、つまり社長1人の会社でも加入が義務付けられています。また、パートやアルバイトの加入条件は、1日又は1週間の労働時間、1ケ月の労働日数が一般従業員の3/4以上の場合となっています。対象者は、労働保険のときのように従業員・役員の区別はありません。
特に社会保険については、負担が重いことから加入されていないケースがありますが、調査が厳しくなり多くの会社が徐々に加入していく傾向にあります。社会の情勢も従業員をきちんと守る方向に動いています。今後の会社づくりでは、この社会保険料負担も加味して、事業が成り立つかどうかを考えないといけないでしょう。
2008.10.1執筆
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
今村 仁
「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。