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経営者の背筋が凍ってしまう「最新労務事情」とは?

未払い残業は会社の存続問題に発展も

私がクライアント先を訪問していて、今、一番相談が多いのは「労務管理関係」です。特に、「未払い残業」「パワハラによる損害賠償」「うつ病従業員への対応」という3つの相談が多いです。

 

未払い残業問題は、マスコミを騒がせた「名ばかり管理職」というケースもありますが、中小企業の場合はより深刻です。例えば、「月40万円、残業代込みでがんばって」とか、「残業代の上限は月3万円までな」という会話が日常的に交わされているケースは珍しくありません。たとえ当初従業員が同意していても、最終的に争うことになれば、経営者側が負けてしまうでしょう。

 

こうしたことを防ぐには、原則、「残業代は正確に計算して、端数を含めて支払う」ということしかありません。さらには、ムダな残業をなくすために、「仕事をなるべく効率的に運営して残業を極力少なくする」「ムダに会社に残るのを良しとせず、早く帰るように積極的に言う」といった日々の意識が重要です。

 

いまだに「残業代なんか関係ない、実際の成果に対して給料を払うんだ」という経営者の方は、要注意です。労働基準法では、辞めた従業員を含めて最大で過去2年分の残業代を請求できますから、従業員の多い会社では、会社の存続問題にも発展します。

パワハラは、損害賠償請求の対象

どちらかというと古いタイプの経営者に多いのですが、「仕事は道場である」という価値観のもと厳しく社員教育をしていく経営者の方も、要注意です。

 

「従業員を一人前に育てあげる」という親心は、本来はとても大事な考え方です。しかし、これほど労務問題が頻発していることを考えると、経営者としては行き過ぎに注意しなくてはなりません。叱咤激励も行き過ぎると、「パワハラ」による損害賠償請求の対象や、従業員がうつ病などを発症する原因になるのです。

 

「パワハラ」とは、「パワーハラスメント」の略で、「職責上の立場を利用した嫌がらせ」のことです。これは、経営者自身も注意が必要ですが、管理職の立場の人への教育も必要です。

うつ病には誠心誠意の対応を

また、最近急増しているのが「うつ病」です。程度の差はあるでしょうが、10人に1人がうつ病だともいわれています。うつ病以外にも、そううつ病というケースもあります。

 

繁忙期などで残業時間が増えた時期や、経営者や上司に厳しく叱責された後に「うつ病の診断書」を従業員がもってくるということもあります。うつ病が重くなると、中には自殺を選択してしまうケースもあります。

 

病気の本人が一番苦しいですから、まずはその従業員が回復するように周囲で協力したいところですが、経営者としてはうつ病で労災認定となれば大きな損害賠償請求の可能性がでてきますので、その点も注意が必要です。

 

労働基準法をはじめ、労働者を守る法律は多数ありますが、経営者を守る法律はありません。事が起これば、経営者は生身でそのことに対応していかないといけません。逃げていては同じ問題が必ずまた起こります。

 

結局のところ、労務問題を解決するのに必要なのは、「逃げない姿勢」と「誠心誠意の対応」です。十分な時間やお金をかけてとりくむしかありません。

最近の労務関係のトラブル

2009.4執筆

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

 

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今村 仁

今村 仁

「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。

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